20100215

抜粋: ブランシャールほか 『 マクロ経済政策再考』より 「V. 結論」

Twitter で話題になっている IMF の『Rethinking Macroeconomic Policy』(PDF直リンク,19頁,206KB) から「V. Conclusion」のみ抜粋。4% 云々が話題ですが「自動安定化装置」が本題だと思うな。参考文献にも載っている BoE のワーキングペーパー同様、もっと議論しようぜということだと思います。ブランシャールさんに釣られたんじゃないの~(笑) 田中先生ありがとうございます。つぶやき、勉強になります。この場をかりて感謝 m(_ _)m

お詫びと訂正: 上記取り消し線部分、僕のTwitter 上における同様の発言について、田中先生から「読み違いである」との厳しいご指摘をいただいたので訂正しました。リンク先の発言にある「曲解」という言葉についても、不用意な発言と考え取り消させていただきます。Twitter での引用を含め、田中先生にご迷惑をおかけしたことをこの場を借りてお詫びします。2010年2月15日8:44


抜粋: マクロ経済政策再考

Olivier Blanchard, Giovanni Dell'Ariccia, and Paolo Mauro

V. 結論

今回の危機はマクロ経済政策が引きおこしたものではなかった。しかしながら、危機によって従来の政策枠組みの欠点が露呈し、政策当局者は危機のさなかに新しい政策を探し求めざるを得なくなったし、われわれとて今後のマクロ経済政策の構成について考えさせられているような状況である。

様々な理由から、全体としての政策枠組みに変更を加えるべきではない。その枠組みの究極の目標は、これまで同様 GDP ギャップ[1]とインフレーションを安定させることであるべきだ。とはいうものの、今回の危機のおかげで、GDP の内訳や資産価格の動向、異なる金融主体の資産構成[2]など、政策当局には監視せねばならない指標が多いのがはっきりしたし、彼らが自由に使える政策ツールについても、危機以前よりずっとたくさんありそうなことが明らかになってきた。これらの政策ツールの一番効果的な使い方を学ぶことが課題である。従来の通貨政策[3]と規制ツールをどう組みあわせるか、また財政政策上よりよい自動安定化装置とはどんなものなのかが、今後のもっとも有望な取り組みである。われわれはこれらのテーマについてさらに探っていかねばならない。

最後になるが、今回の危機はわれわれがいつも意識してきた教訓を補強してくれたし、危機を経験することでその教訓をさらに深く心に刻むことにもなった。平時に財政赤字の規模が小さければ、必要な時に大胆で効果的な政策をとる余地ができる。われわれの経済システムをうまく機能させるには、規制に細心の注意を払い[4]、通貨・金融・財政上のデータをわかりやすくかつ入手し易くして[5]、うまく手はずを整えておくことが必要不可欠である。われわれに課されているのは、今回の危機の経験を利用して創意あふれる新政策を考えだすことだけではない。ここで述べたような教訓から生じる困難だが必要な政策の修正や改革において、一般国民の助けとなっていくこともまた、われわれの仕事なのである。

訳注1: output gap

訳注2: the leverage of different agents

訳注3: traditional monetary policy

訳注4: prudential regulation

訳注5: transparent data in ...

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