20100215

抜粋: ブランシャールほか 『 マクロ経済政策再考』より 「I. はじめに」

いやぁどじっちゃいました。あとで辞書をひいたら「曲解」の意味を適当に理解してたんですね。朝っぱらから TL 汚してすみませんでした → 各位。というわけで、IMF の『Rethinking Macroeconomic Policy』(PDF直リンク,19頁,206KB) から「I. Introduction」のみ抜粋です。ちびちびで申し訳ないけど、かぶるのも嫌なのでご容赦を。


抜粋: マクロ経済政策再考

Olivier Blanchard, Giovanni Dell'Ariccia, and Paolo Mauro

I. はじめに

1980 年代初め以降、景気の循環的な変動[1]が緩やかになっている。マクロ経済学者や政策立案者たちは、ついつい自分たちがそれに大きく貢献していると考えてしまいがちだったし、自分たちはマクロ経済政策をどう行なえばよいかわかっていると結論づけてしまいそうにもなった。われわれはその誘惑に耐えられなかったのだ。しかし今回の危機によって、われわれがそのような自己評価に疑問を持たざるを得なくなっているのはあきらかである。

まさにそれが本稿でやろうとしていることである。3 段階に分けて論じていこう。まずはじめに「自分たちにはわかっている」とわれわれが思っていることについて。次に、それのどこが間違っていたかについて。そして最後に、3 つのうちで最も不確かなこと、すなわち新しいマクロ経済政策の枠組みの青写真について論ずることにする。

本論に入る前にまず注意点を。本稿は一般原則に焦点をあわせて論じている。これらの原則を特定の政策アドバイスとしてどのように翻訳し、先進国や新興国、そして開発途上国むけに仕立てていくかは今後の課題となる。また、本稿は今回の危機によってもちあがった幾つかの大きな問題についてもほとんどふれていない。国際通貨制度の成りたち[2]や金融規制とその監督のしくみ全体などがそれにあたる。これらについては本稿で取りあげる課題に直接関わる範囲でふれるに留めた。

訳注1: cyclical fluctuations

訳注2: the organization of the international monetary system

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