20100130

FT論説 - デフレーションにはまっている日本のとある一日。

テミンさんの本ばかり読んでいるので、英語がご無沙汰... というわけで、こっそりと。

原文はこちら


デフレーションにはまっている日本のとある一日。

January29, 2010 10:38am by RobinHarding

今日、日本の"コアコア"消費者物価指数が発表された。コアコア消費者物価指数は食料とエネルギー関連物価をのぞいた物価指数だ。日本の12月のコアコア消費者物価指数は前年比 マイナス 1.2%、1971年以来最大の下げ幅である。日本の政治経済界でデフレーションの議論が盛んだった 2001年当時より悪化した数字だ。

ところが、東京のエコノミストたちはこれに無関心なようである。日本銀行の火曜日の会合でもたいしたことは言われていない。日本銀行自身が 2010年と 2011年にもデフレーションが居つくだろうと予測しているにも関わらず、である。大臣から日本銀行への働きかけは形だけで、2001年から続けられてはいるものの、日本銀行への圧力にはまったくなっていないと専門家は言う。

本誌名物の「Lex コラム」は、水曜版で自信たっぷりに次のように書いている。(訳注: 該当する「Lex コラム」はこちら。「Lex column」は Jo Johnson が編集担当。)

「さらに、データは日本銀行のさらなる金融緩和の十分な根拠にもならない。デフレーション(訳注: 日銀の英文統計レポート、PDF直リンク)は改善していないが、悪化してもいない。円相場もまだ本当に危機的なわけでもない...(中略)...白川氏がまだ強硬なのはもっともである。」

驚きましたね... デフレーションは日本経済に10年も毒を盛りつづけてきた。今回、コアコア消費者物価指数の下げ幅は記録更新している。もちろん、物価の下落幅はエネルギー価格の値上がりで緩和されるだろうが、人々はこの状況に頭を悩ますべきだ。物価はただただ下がりつづけ、これ以上ひどくなりようがないところまできている。デフレ期待がしっかり根を張ってしまえば抜けだすことはほぼ不可能になってしまう。

議論が盛んかどうかは別にして、極端な金融政策に反対意見があるのは理解できる。しかし、デフレーション(もしくは、そのようなもの)が10年以上続いたにも関わらず、まだこのような意見があること自体、日本や日本銀行がいかに物価の下落を成りゆきまかせにし、ほとんど対処してこなかったかを示しているように私には見えるのだ。(政策的)態度がこんなでは、デフレーションに終わりがくるなどと楽観的になれるはずもない。「期待」が経済に果たす役割は大きい。人々が楽観的になれなければ、デフレーションも終わらないだろう。

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